「ふくら」のこと

 

かつて「ふくら」という小さなパン屋があったとさ…



かつて、那須塩原市旧黒磯地区に『ふくら』という小さなパン屋がありました。
 
栃木県産の小麦粉と天然酵母のパン屋でした。
 
少子高齢化・ドーナツ化の進む旧市街。
 
原料と手間暇を計算できなかったパン屋は、たったの二年間営業しただけで閉店いたしました。
 
 
その後、那須町の林の中に小さな小屋がひっそりと建てられました。
 
そこは、パンを焼くための大きなオーブンを手放せなかったあきらめの悪い店主が
『高い趣味を持ってしまった残念な私なの。』
とお金を借りてまで、機材を収めるために建てた掘っ立て小屋でした。
 
 
 
そもそもなぜ彼女がパン屋なんかになってしまったかというと、
自分の子ども達に食べさせたいパンが売っていなかったからです。
 
輸入の小麦粉はポストハーベスト(収穫後農薬散布)の危険性があります。
 
できれば国産の小麦粉を食べさせたい。
 
イーストのパンは見た目は大きいけれど、風味にかける。
 
砂糖も精製されていないキビ砂糖を使いたいし、海水塩のミネラルはヒトに必要なもの。
 
マーガリンやショートニングじゃなくて、バターを使いたい。
 
…そんなパン、売ってないじゃない?
 
普通においしいものが手に入らないなら、自分で作るしかないわよね。
 
プロ用の大きなオーブンの方が、おいしいパンが焼けるわよね。
これだけの理由で、普通のおばちゃんはパン屋さんになってしまったのです。
 
 
 
 
 
たった二年しか営業していなかったにもかかわらず、
『ふくら』には熱狂的なお客様がたくさんできました。
 
しかし、店主にはたくさんの子どもがいました。
 
大きくなった子どもたちが別々の学校に通うようになり、
部活で使ったジャージを毎日洗うようになり…。
 
送り迎えや洗濯だけでも山のような仕事量です。
 
もう、彼女には毎日パンを焼いて、お客様をお待ちする余裕はなくなってしまいました。
 
 
 
 
「パンはいつでも焼けるようになったから。
 
私が今一番手に入れたくて、一番できそうなことはなにかしら?」
 
「バターが手に入りにくいけど、牛を飼うのは大変だし…。」
 
「おいしい新鮮な卵が手に入るといいわね。…鶏を飼いましょう!」
 
こうしてパン屋だったおばちゃんは卵屋になりました。
 
そして『ふくら』の食べ物は、おばちゃんがパンを食べたくなった時と
お客様がご所望されておばちゃんの気が向いたときにだけ食べられる
幻の味になりましたとさ。
 

って言っても、おばちゃんのいるイベントに行けば食べられるんだけどねっ!
 

出没情報はブログ「卵屋日記」をチェック
 


 

食材へのこだわり



私は、くいしいんぼうな子どもでした。
食べる回数を減らしてでも、いいもの食べたい子どもでした。
 
今でもそれは変わっていません。
だけど、どこそこへ名物を食べに行く、のは好きじゃありません。
出かけた先でおいしいものを探すくらいです
 
そんなにグルメではないのでしょう。
 
 
私の住んでいる栃木県北部は、関東ローム層の肥沃な大地に高原の澄んだ空気、
那須連山からの雪解け水、美しい自然に囲まれています。
 
そこで収穫されるおいしい農作物。
春のいちご・うど・夏のトマト・枝豆・とうもろこし・きゅうり。

秋にはお米・冬のほうれん草、
うちの食卓は地場もののお野菜でにぎわっています。
 
私も自分で食べるくらいはなにか栽培したいのですが、
残念ながら自宅は川のそばで、地面は大きな石ばかりで農地に向いていません。
その分、まわりの農家さんにお世話になっています。
 
 
栃木県は小麦の産地でもあります。
全国6位の収穫量だったりします。
私の住む県北はビール麦の作付が多いです。
パン・製菓用の小麦は主に県南で作られています。
とても、風味の良い粉です。
 
 
 
 
まだ那須に来る前、東京にいた時に、
フランス人の職人さんが焼くブランジェリーだ、
フランス直輸入のバターを使ったクロワッサンだ、
ドイツから来たプレッツエル、いろんなパンを食べました。
 
パン屋になっちゃうくらいなので、それに近いものは焼けます。
 
日本の土壌では、小麦のグルテンが出にくいので、
フランスのハード系のようなパンを焼く粉はなかなかできません。
水もヨーロッパのような硬水ではないので、パンの食感もどうしても違ってしまいます。
 
フランスの粉をフランスの水で焼いたパンは、
パリで食べるパンと同じ香りがするのかもしれません。
 
だけど、食生活に関する様々な考え方を知っていくうちに、
こんなにもおいしい食べ物があふれすぎている日本で、
輸入の粉を輸入の水で焼いてまで食べるのは傲慢なんじゃないかと思うようになりました。
 
 
 
夏に冷房をかけながらオーブンを使うことの是非は棚に上げて。
(ご注文があったら応じるべきでしょ?
…冷房入れないと死んじゃうんだもん。)
輸送にかかるコストやエネルギーを抑えることが私にできる環境貢献です。

できるだけ、自分の周りでとれた食べ物を素材に近い形で
身体に取り入れたいなと常々思っています。
 
 
食べることは生きること。
毎日毎日のことだから、無理のない範囲で地産地消を続けていきたいです。
 
 
 
 
 
 
 
 

「ふくら」のこと


かつて「ふくら」という小さなパン屋があったとさ…

 

かつて、那須塩原市旧黒磯地区に『ふくら』という小さなパン屋がありました。 栃木県産の小麦粉と天然酵母のパン屋でした。
 

少子高齢化・ドーナツ化の進む旧市街。
 

原料と手間暇を計算できなかったパン屋は、たったの二年間営業しただけで閉店いたしました。
 

その後、那須町の林の中に小さな小屋がひっそりと建てられました。
 

そこは、パンを焼くための大きなオーブンを手放せなかったあきらめの悪い店主が 『高い趣味を持ってしまった残念な私なの。』 とお金を借りてまで、機材を収めるために建てた掘っ立て小屋でした。
 

そもそもなぜ彼女がパン屋なんかになってしまったかというと、 自分の子ども達に食べさせたいパンが売っていなかったからです。
 

輸入の小麦粉はポストハーベスト(収穫後農薬散布)の危険性があります。
 

できれば国産の小麦粉を食べさせたい。
 

イーストのパンは見た目は大きいけれど、風味にかける。
 

砂糖も精製されていないキビ砂糖を使いたいし、海水塩のミネラルはヒトに必要なもの。
 

マーガリンやショートニングじゃなくて、バターを使いたい。
 

 

…そんなパン、売ってないじゃない?

 
 

普通においしいものが手に入らないなら、自分で作るしかないわよね。
 

プロ用の大きなオーブンの方が、おいしいパンが焼けるわよね。 これだけの理由で、普通のおばちゃんはパン屋さんになってしまったのです。
 

たった二年しか営業していなかったにもかかわらず、 『ふくら』には熱狂的なお客様がたくさんできました。
 

しかし、店主にはたくさんの子どもがいました。
 

大きくなった子どもたちが別々の学校に通うようになり、 部活で使ったジャージを毎日洗うようになり…。
 

送り迎えや洗濯だけでも山のような仕事量です。
 

もう、彼女には毎日パンを焼いて、お客様をお待ちする余裕はなくなってしまいました。
 

「パンはいつでも焼けるようになったから。

私が今一番手に入れたくて、一番できそうなことはなにかしら?」

「バターが手に入りにくいけど、牛を飼うのは大変だし…。」

「おいしい新鮮な卵が手に入るといいわね。…鶏を飼いましょう!」

 

こうしてパン屋だったおばちゃんは卵屋になりました。
 

そして『ふくら』の食べ物は、おばちゃんがパンを食べたくなった時と お客様がご所望されておばちゃんの気が向いたときにだけ食べられる幻の味になりましたとさ。


って言っても、おばちゃんのいるイベントに行けば食べられるんだけどねっ!

 

出没情報はブログ「卵屋日記」をチェック

 
 

食材へのこだわり

 

私は、くいしいんぼうな子どもでした。 食べる回数を減らしてでも、いいもの食べたい子どもでした。
 

今でもそれは変わっていません。 だけど、どこそこへ名物を食べに行く、のは好きじゃありません。 出かけた先でおいしいものを探すくらいです。
 

そんなにグルメではないのでしょう。
 

私の住んでいる栃木県北部は、関東ローム層の肥沃な大地に高原の澄んだ空気、 那須連山からの雪解け水、美しい自然に囲まれています。
 

そこで収穫されるおいしい農作物。 春のいちご・うど・夏のトマト・枝豆・とうもろこし・きゅうり。
 

秋にはお米・冬のほうれん草、 うちの食卓は地場もののお野菜でにぎわっています。
 

私も自分で食べるくらいはなにか栽培したいのですが、 残念ながら自宅は川のそばで、地面は大きな石ばかりで農地に向いていません。 その分、まわりの農家さんにお世話になっています。
 

栃木県は小麦の産地でもあります。 全国6位の収穫量だったりします。 私の住む県北はビール麦の作付が多いです。 パン・製菓用の小麦は主に県南で作られています。 とても、風味の良い粉です。
 

まだ那須に来る前、東京にいた時に、 フランス人の職人さんが焼くブランジェリーだ、 フランス直輸入のバターを使ったクロワッサンだ、 ドイツから来たプレッツエル、いろんなパンを食べました。
 

パン屋になっちゃうくらいなので、それに近いものは焼けます。
 

日本の土壌では、小麦のグルテンが出にくいので、 フランスのハード系のようなパンを焼く粉はなかなかできません。 水もヨーロッパのような硬水ではないので、パンの食感もどうしても違ってしまいます。
 

フランスの粉をフランスの水で焼いたパンは、 パリで食べるパンと同じ香りがするのかもしれません。
 

だけど、食生活に関する様々な考え方を知っていくうちに、 こんなにもおいしい食べ物があふれすぎている日本で、 輸入の粉を輸入の水で焼いてまで食べるのは傲慢なんじゃないかと思うようになりました。
 

夏に冷房をかけながらオーブンを使うことの是非は棚に上げて。 (ご注文があったら応じるべきでしょ? …冷房入れないと死んじゃうんだもん。) 輸送にかかるコストやエネルギーを抑えることが私にできる環境貢献です。
 

できるだけ、自分の周りでとれた食べ物を素材に近い形で 身体に取り入れたいなと常々思っています。
 

食べることは生きること。 毎日毎日のことだから、無理のない範囲で地産地消を続けていきたいです。
 


 
 

 
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